今回は、マーラの午後の過ごし方とゾウのあしについてご紹介します。
午前中はプールに入る準備と、80分間のプールでのリハビリで、とても慌ただしく時間が過ぎてしまうため、午後はごはんをもらいながら、電気治療をしたり、足のケアをしながらのんびり過ごしています。
電気治療は、筋力の落ちた後肢に電気を流し、機械的に筋肉を動かします。マーラは電気治療はあまり好きではありませんが、人がそばにいると安心するので、職員が2名がそばにいるこの時間は結構楽しそうにしています(^v^)。
電気治療の後は、曲げていることの多い肢をストレッチしたり、伸びた蹄(爪)を削ったりと、足のケアに多くの時間を使っています。
ところで、ゾウの足ってどんな作りになっているかご存知ですか?
下の写真はマーラのお父さんのダーナです。
丸太に蹄(爪)だけ貼り付けたような足です・・・(^_^;)。
でも、見えているのは蹄(爪)だけですが、この足の中には蹄(爪)の数だけそれぞれ指の骨もちゃんとあります。ちなみに、アジアゾウの指の数は、前肢5本、後肢4本、アフリカゾウは前肢4本、後肢3本あります。
下の絵は、ゾウの足の作りを示した断面図です(手書きの下手な図ですみません・・・(^_^;) )。
ゾウの足は重い体重を支えるために、とても特殊な構造をしています。 “かかと”は、10数cmの脂肪などからできたクッションで支えられ、また、足の裏には厚さ1cm前後の爪のような角質で全体が覆われており、足裏の保護と滑りどめの役割を果たしています(スニーカーのゴム底のようなイメージです)。
下の写真は、マーラのお母さんアーシャーのお尻です(*^_^*)。
後肢足裏のアップです。
爪や足裏のパッドは、たくさん歩けば自然に削れるものですが、運動不足で伸びすぎてしまったり、小石が挟まってしまった時などは、切ったり削ったりして手入れを行います。重い体重を支えるゾウの足を痛めることは、命取りにもなりかねませんので、日々の点検やお手入れは重要です。
さて、マーラの足の話に戻ります・・・(^^ゞ。
これは、マーラの前足です。指(爪)が5本あるのがわかります。
これは後足です。指(爪)は4本です。
通常、蹄(爪)と角質部分は、アーシャーの足裏のように一体となっていて区別がつきにくいのですが、マーラはプールに入っている時間が長い為か、角質部分がふやけて割れてしまうため、角質部分がほとんど無くなってしまい、蹄(爪)がはっきりわかります・・・(>_<)。
角質部分がないと、人が裸足で外を歩くようなものなので、マーラがいつか立って歩けるようになったら、プールの時間を減らしていかなければならないかもしれません。そんな日が早く来ると良いのですが・・・。
蹄(爪)だけは割れずに伸びてしまい、足裏全体で段差ができてしまうため、マーラも蹄(爪)のお手入れが欠かせません。
割れた角質をニッパーで除去します。
蹄(爪)は、牛馬用の大きなヤスリで削ります。
くすぐったいのか時々モゾモゾ動きますが、ネイルケアしてもらいながら午後のひと時をのんびり過ごしているマーラです・・・(*^_^*)。